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【コラム4-①】兵庫県知事について、行動心理学の観点から考察してみた

 今話題の兵庫県知事の斎藤元彦氏について、行動心理学の観点から考察してみたいと思います。彼の行動や発言は、心理学的に非常に興味深いものです。特に、彼の辞職を求める声が高まる中での対応は、心理学の観点から多くの示唆を与えてくれます。

 まず、斎藤知事の行動には「 自己正当化」の心理が強く表れています。自己正当化とは、自分の行動や考えを正当化するために、外部の批判や反対意見を否定する傾向のことです。斎藤知事は、パワハラ疑惑や職員からの批判に対して、 記憶にない」 気分を害したならお詫びしたい」といった発言をしていますが、これらは自己正当化の一環と考えられます。
 また、彼の表情や態度からは「 防衛機制」が見て取れます。防衛機制とは、心理的なストレスや不安を軽減するために無意識に行う心の働きです。斎藤知事は、記者会見や百条委員会での発言中に、唇を強く結ぶなどの感情抑制の表情を見せています。これは、内心の不安や怒りを抑え込もうとする防衛機制の一つです。
 さらに、彼の頑なな態度は「 認知的不協和」の現れとも言えます。認知的不協和とは、自分の信念や行動が矛盾していると感じたときに生じる心理的な不快感を解消しようとする現象です。斎藤知事は、自分の行動を正当化し続けることで、この不快感を軽減しようとしていると考えられます。

 斎藤知事の心理状態を理解するためには、彼の背景や環境も考慮する必要があります。彼は現在、非常に強いプレッシャーの中で職務を遂行しており、その中で自己を守るための心理的な防衛が働いていると考えられます。彼の行動や発言は、単なる政治的な戦略だけでなく、深層心理に根ざしたものでもあるのです。
 このように、斎藤知事の行動や発言を心理学の観点から分析することで、彼の内面に迫ることができます。彼の自己正当化や防衛機制、認知的不協和といった心理的な働きは、彼が直面している困難な状況を乗り越えるための手段であると同時に、彼自身の心の安定を保つためのものでもあります。
 今後、斎藤知事がどのように自分と向き合い、どのような決断を下すのか、その心理的な背景に迫ってみたいと思います。